子どもとの関係を良くする魔法の呪文①「それをする(しない)のはなぜだろう?」
魔法の呪文「それをする(しない)のはなぜだろう?」

子どもの行動で困っているときは、↑こう心の中で唱えてみましょう。
すると、子どもの心を見る目が開きます。
そして、子どもの理解へのスタートラインに立つことができます。
答えは簡単には見つからないかもしれません。
答えが見つかるためには色々な知恵や知識が必要だからです。
でも、見ようとし続けることで少しずつその知恵や知識を吸収し、少しずつ見えるようになってくる可能性があります。見ようとしなければ、その可能性は閉ざされてしまい、いつまでも子どもとすれ違い続けます。
ところで、この子どもの理解を妨げる呪いの言葉があります。それは・・・
呪いの呪文「それをする(しない)のはけしからん!」
という言葉です。
「それをする(しない)のはけしからん!」という思いが心のどこかにありませんか?
この言葉によって、子どもの心を見る目が閉ざされたままになってしまいます。
あなたがそれを「けしからん」と思っていることは悪いことではありません。
正義感の強さ、芯の強さの表れであり、それ自体はとても価値あることです。
しかし、子どもはその思いとは違う、別のわけがあるということです。その子なりに人生をよくしよう、幸せになろうとしてその思い、行動を採用しているのです。
例 子どもがゲームばかりして勉強しない
例えば、「子どもがゲームばかりして勉強しない」という行動で考えてみましょう。
大人はゲームばかりするデメリットと勉強することのメリットばかりを見ています。
一方、子どもはゲームばかりするメリットと勉強することのデメリットばかりを見ています。
だから、心理的には互いに争いになってしまいがちです。
そこで、大人がどのような思いで子どもを捉えるかが今後の分かれ目になります。
「ゲームばかりして勉強しない」のはけしからん!
という思いからは、叱る、罰を与える、褒美を与えるなどの行動しかできません。
しかし、それでは子どもの心は変わりません。変わったように見えても表面的な行動だけです。
子どもがゲームばかりして勉強しないわけはそのまま変わっていないので、叱られないために、褒美を得るために勉強するフリをするだけです。それで何かを学習していると言えるでしょうか?
子どもを理解することなしに子どもを変えることはできないのです。
「ゲームばかりして勉強しない」のはなぜだろう?
と考えてみると
・学習課題が合っていないのかもしれない
・学習することの意義、メリットを実感できていないのかもしれない
・何らかのもやもやと苦しい気持ちをゲームで癒しているのかもしれない
・環境の影響で集中できないのかもしれない
・学習で失敗を重ねて心が傷ついているのかもしれない
と考えることができ、それらを解消してみようという行動につながります。
「難しい~」という声が聞こえてきそうです。今までにしていないこと、慣れていないことだとそう感じるのは当然のことです。その感覚は、勉強をしない子どもも同じように感じているものです。
このようなときにまず必要なのは、小さいことから始めることです。
今回のことでは、まずは脳内の「けしからん!」に気付き、「なぜだろう?」に変えること。まずはこれだけしてみましょう。
そして、できたらできた自分を「できたね!」と認めましょう。
「けしからん!」を「なぜだろう?」に変えてみよう
大人から見たら、その人生経験から子どもの行動のデメリットが見えます。だから、子どもの行動を変えようと思います。しかし、子どもの心が見えていないまま、子どもをその通りに動かそうとすることには、以下の問題点があります。
①大人の思いが正しいとは限らない
②子どもを理解した上でないと、子どもの心には伝わらない、変わらない
だから、子どもの心が見えないままだとうまくいかないのです。
「けしからん!」を「なぜだろう?」に変えてみませんか?
そうすることで、今まで見えなかったものが見えるようになるかもしれません。