子どもとの関係を良くする魔法の呪文②「私は~してほしいんだけど、どう?」

魔法の呪文「私は~してほしいんだけど、どう?」

子どもの行動で大人が困るときってありますよね。

そのような時は主語をつけて、上記のような言い方で「私は困る」というメッセージを正直に伝えましょう。

そうすることであなたの心と子どもの心のやり取りができます。

子どもがそれを受け入れた場合、子どもは自らの意志で貢献感をもって行動することになり、幸福感の向上につながります。

受け入れなかった場合でも、子どもは思いを尊重される姿勢を感じることで受け入れないわけを伝えやすくなり、あなたは子どもを理解しやすくなります。

しかし、この言い方に抵抗感を抱く方は多いのではないかと思います。それはなぜでしょう?

①大人=正しい、子ども=間違っていると思っている

②大人は絶対的に子どもより上だと捉えていて、その上下関係が崩れることを恐れている

③子どもに「NO」を言われるのを恐れている

このような理由ではないかと思います。

一度、この点をよく見直してみましょう。

呪いの呪文「~しなさい」「~するな」

私は教育実習生がたくさん来る学校に勤めていたことがあります。

実習生が朝やってきたときに通るところに小さな黒板があり、彼らに向けたお言葉が日替わりで書かれています。

その初日のお言葉が「教師と子どもは友達ではありません。実習生といえど、教師として関わりなさい」という内容です。その他の場面においても、子どもに対して「~しなさい」という言い方がお手本だと示されます。

しかし、私は「~しなさい」「~するな」という言い方は子どもの心がどんどん見えなくなる呪いの呪文であり、要注意だと思っています。

大人と子どもは同じではないが、人間としては対等

「教師と子どもは友達ではありません」・・・確かに、子どもと教師・親は同じではないかもしれません。

まず、人生経験が違うので、子どもより知識や経験を持っています。「こうしたらこうなる」という結果の予測も子どもより正確にできます。

また、子どもと教師・親は役割が違います。教師は教育活動の責任を負い、親は管理責任、教育を受けさせる義務を負っています。子どもにはそれがありません。

しかし、人間としての尊厳、価値や心の仕組みは大人と子どもで対等なのではないでしょうか?

大人は子どもより少し生きている時間が長く、少し経験が多いだけで、神ではなく人間です。経験できることもこの世界の事象のほんの一部分ですし、経験したことによる学びには勘違いが多く含まれ、未来のこともわかりません。大人と子どもは少し違うけど同じ人間なのです。

「~しなさい」「~するな」

このような細かな言葉遣いを続けるうちに、気付かないうちにこの人間としての尊厳、対等さを勘違いし、大人は絶対的に子どもより上だ、大人は正しく子どもは間違っているという錯覚を持ってしまいます。

そして、子どもの心を見る目が閉ざされ、子どもの心がどんどんわからなくなっていきます。

「NO」と言うのは、自分を大切にするということ

子どもに「NO」を言われることを恐れている人も、子どもに「~しなさい」「~するな」と言ってしまいます。

しかし、「NO」を言うことは自分を大切にすることです。

子どもには「NO」を言う権利があります。

どの人にも自分の思いを大切にする、される権利があります。これを人権と言います。

子どもにも人権があります。

「NO」を言ってはいけないということは、自分を大切にしてはいけないということです。

「NO」が言えない人はいじめや犯罪、ハラスメントを受けたときに、それを許容してしまいます。いじめや犯罪、ハラスメントをする人に対して「もっとやっていい」というメッセージを伝えることになってしまいます。

相手の「NO」を認めることは、相手の人権を認めることです。

では、「NO」を言われたらどうすればいいのでしょう?

「NO」を言った相手が子どもではなく、大人だったらどうしますか?無理やり「YES」と言わせるのではなく、交渉しませんか?それと同じです。

相手に「NO」を言われたら、どうしたら困らないようにできるのか、考えて話し合いましょう。どのような思いで「NO」を言うのか、子どもに聞いて気持ちを知りましょう。どのようなことならできるのか聞いて、折衷案を作りましょう。自分にコントロールできる行動を変えて困らないようにしましょう。

それでも、「それはわがままだ!ガマンをしなければいけない!」という声が聞こえてきそうです。

もしかして、「わがままはけしからん!ガマンをしないのはけしからん!」と思いましたか?

「~はけしからん!」と思った時は、この魔法の呪文①を見てみてください。

「けしからん!」は「なぜだろう?」に変えてみましょう。

子どもと対等に接してみよう

大人と子どもは同じではないが、人間としては対等だし、心の仕組みも子どもと大人で同じです。

そこに気づかないと、子どもの心がどんどん見えなくなっていき、子どもを援助できない大人になっていきます。

私の記事は子どもにかかわる人を想定して書いているから、相手=子どもとして書いています。しかし、実は、私の記事の中の「子ども」に当たる部分は「大人」にも当てはまります。「子ども」を「相手」と読み替えても内容は全く同じになります。

自分を変えた分だけ周りの世界が変わっていきます。もし今あなたが困っているなら、少しだけ、自分の行動、言葉を変えてみませんか?

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